「誇大広告」

過日「誇大ネット広告、厚労省が解説書」という記事がありました。

その内容の一つに「即日インプラント治療、1日ですべての治療が終了します」という表記ですが、インプラント治療が術後の定期的なメインテナンスを必要とする治療の為、問題があるとして虚偽広告にあたるとの指摘でした。

「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(案)」というものに詳しい解説がありましたので少しご紹介します。所でこの報告書は「第17回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会 」(令和3年6月24日付)によるものです。で、ネット広告の虚違広告にあたる事例2の詳細がこの5ページに記載されていました。まぁ、どのような手術でも検査、診断等の流れからして1日で終了はしないので、普通に考えれば「即日終了」はあり得ないと思います。とはいえ、実際に手術が必要で歯科医院を探している方々には、このような文言は魅力的に映り、目に入りやすいことは間違い無いと思います。また、同じ5ページには他に事例1として「どんな難しい手術でも必ず成功させます」なども医学上あり得ない事で虚違広告にあたるとしています。

他にも総数33ページに多くの虚偽事例に加えて広告に可能な表現例が挙げてあります。悪い例としては、成功率についてはデータが無い、手術のリスクや副作用などが記載されていない等々、沢山ありとても興味深い内容でした。それから費用については、最低金額だけや、詳細の記載がないなどの事例がありました。こうしてみますと、インプラントの年間市場が微増である現況において、インプラント実施施設の中には、より多くの患者様を受け入れたいとの意向からこのような表現の広告を、意図的にもしくはこうした規制を知らずに行っている実態があるようです。

私見ですが、日本では全国に68,000ある歯科医院中で日常的にインプラントを行っているのは10,000施設ぐらいだと思います。厚生労働省の調査のデータでは約24,000施設と言われていますが、この調査のデータからしますと(詳細は以前のコラムでご紹介)実際「日常的」にインプラントを行なっているのは10,000施設位であると推察しています。この数の施設から自分にあった施設を探す時にネット広告や歯科医院のホームページの情報を見るときには、十分注意が必要であると喚起しているのが今回の記事の主旨かと思います。

さて、私ども患者の最大の関心事を突き詰めて行くと「成功率」なのではないでしょうか。インプラントの本数や手術数の数字より、今までどれくらい成功したかが重要です。それはインプラント手術自体の成功のみならず、手術後3年、5年、10年ぐらいの長期にわたるインプラントの残存率です。しかし現在のところ、こうした情報は直接その施設に聞くしかないようです。そうなりますと、こうした長期にわたる成功率も数字できちんと説明していただける施設でインプラント手術を受けたいものです。前述の事例2の説明にもある通り「インプラント治療は定期的なメンテナンスが必要な治療」なのです。従って、インプラント治療の成功とは、長期にわたりインプラントがお口の中で問題なく機能しているという事であると私は思います。

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