「インプラント周囲炎の増加」

ある方が講演で『インプラント周囲炎の増加』を指摘しておられましたので皆さんと共有したいと思います。

インプラントの創成期から50年程が経過しています。実際は直近の30年ぐらいで、製造する企業と使用する歯科医師の開発努力で製品と技術が年々進化および進歩した結果、さらに安全で確実なインプラント治療が発展し、この治療そのものの社会的地位が高まってきたのではないかと思います。

さて、今回のテーマについてですが、インプラント周囲炎の増加を知るにはいろいろな見方があるかと思います。私が興味をもったのはインプラントとインプラント周囲炎についてどれくらいの数の学術文献が発表されているか2020年9月25日付で調べたデータでした。それは1990年から5年ごとにインプラントについて発表された論文とインプラント周囲炎について発表された論文の数の比較調査でした。インプラント周囲炎の論文数の推移を見ていきますと、1990年には2つで、インプラントの文献数537に対する割合は0.3%でした。両方の論文数は年を追うごとに増加しますが、インプラント周囲炎の論文数は2015年に3桁になり8.3%、2019年は10.9%になったそうです。1990年から2019年までの約30年間でインプラントに関する論文数は6倍になったのに対して、インプラント周囲炎に関する論文数は187倍になっています。これは、インプラント治療が普及し増加した数以上にインプラント周囲炎の数が多くなっていることを示しているのではないでしょうか?周囲炎を発症する理由は、補綴に関するもの、術前術後の管理、技術的な失敗例などが考えられます。そうは言ってもインプラントの進歩に伴い、どんどん難しい症例にも適用を拡大するようになってきたこともその原因の一つであるようにも思っています。

我々がインプラント治療を受けるときは、インプラント周囲炎が起こらない治療をしてもらえるクリニックを慎重に探さないといけないと思います。術前管理をしっかりと行い、安全で確実な手術を提供する、術後管理にも最大限の注意をはらうクリニックを探す事が重要です。それにはやはり、セカンドオピニオンをとり、比較検討する事がマストだと思います。

ページトップ