「戦略的抜歯」

少し専門的な話になるかもしれませんが、ほとんど歯のない方がインプラント治療のためにクリニックに行く時の参考にしていただければと思います。

さて、今回のテーマの『戦略的抜歯』とは何でしょう?一言で言ってしまうと、インプラント治療のために上もしくは下の「残っている歯をすべて抜く」ことです。

その意味は、健康な歯もしくは歯周病などで抜いた方が良い歯、あるいは将来的に抜かざるを得なくなると思われる歯を抜くことです。『戦略的』と言われる所以は、抜いて全く歯のない状態、「無歯顎」にしてからインプラント治療をするためです。

さて、歯科医師がどのようなアドバイスをするかしないかに関わらず、抜くか抜かないかは、最終的には100%患者側の判断、というか決断です。また、そうであるべきです。残っている歯の見た目や、触った感じで噛めない程ぐらぐらしていない限り、抜くかどうかの判断は決して先生だけに任せにせずご自身で良く考えてから決められることをお勧めします。

もちろん、治療計画や手術方法に関わるこの『戦略的抜歯』には先生方に様々な意見があるのは当然ですが、ここでは治療を受ける患者側から考えてみたいと思います。
まず、メリットを考えてみます。第1に、すべての歯を抜いた方が新しい歯の全体的な歯並びや色調に関して選択の巾が広がります。第2に、インプラント治療の選択肢が増えます。歯のあったところにすべてインプラントを埋入する代わりに、例えば、4本のインプラントですべての歯を支える「オールオンフォー」という治療法です。これはインプラント本数が少なく、治療費が安くなることがあります。第3に、残した歯が後で悪くなった場合、再治療でインプラントをすることになり、追加の費用がかかるというデメリットを避ける事が出来ます。とは言え、残っているのが健全な歯であれば、きちんとメインテナンスすれば将来問題が発生しないかもしれません。

そうなりますと考えるべきポイントは、残せると思われる歯の本数とその健康度です。当然ながら、歯の健康度を判断するには相当な知識が必要ですので患者自身でするのは難しいかと思います。でも、健康度によっては適切な治療をすれば歯を残せる可能性もありますので、『戦略的抜歯』をすべきか迷った場合は、専門家のセカンドオピニオンを得てから決めることをお勧めします。

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