「インプラントの年間出荷本数」

本題について興味のある方もおられるかもしれませんので、ご参考までに少しお話ししたいと思います。

日本国内のインプラントの出荷本数はこの10年近く大きな変化はないように聞いておりましたが、昨年は少し伸びたようです。68,000あると言われている歯科医院の数に大きな変化もなく、また、インプラント治療施設も10,000強と言われており大きな変化はありません。ちなみにインプラント学会の所属歯科医師数は毎年伸びており2019年で約12,500名になったようです。

さて、この出荷本数の増加は昨年改定された消費税も影響しているように思います。何故か?と言う事を歯科医院の側から考えてみましょう。インプラントは患者様の症例によって様々な製品が必要となります。クリニックとしては、患者様が来院されてから診察し治療方法を検討し、そして必要であればインプラント手術をするという流れになります。このために、クリニックは、これから来院するであろう未知の患者様の症例のために、必要と思われるインプラント関連製品を事前に購入し、在庫しておく必要があります。置き薬のビジネスモデルのように、製造・販売会社の負担で販売前の製品をクリニックに置いておいて、実際に使用した製品の費用だけ請求するという方法は、日本の国内法により医療では禁止されています。つまり、クリニックが製品を備蓄したい場合は、事前に製品を購入して在庫するのです。「インプラント体」(歯の骨に入れるネジのようなもの)は、長さ、形状、太さがそれぞれ違います。また、それに歯冠とインプラント体を繋ぐ「支台」も数多くあります。従って、どのような患者様が来られても対応できるように相応数の在庫を準備します。つまり、これらは使用されるまで在庫として、それなりの金額をクリニックが負担するのです。消費税は8%から10%になり、この2%のアップはクリニックにとっては大きな負担増となります。こうした理由により消費税アップ以前に購入される施設が多くあったのではないかと私は推察しています。

そして、インプラント本数が増えている施設も中にはあるようですが、年間出荷数の推移を見ますと、全体としてインプラント症例数には近年大きな変化がないと言えると思います。

使用症例としては、何らかの理由で歯が抜けたためのインプラント治療、ブリッジからインプラント、入れ歯からインプラント、インプラントの再治療、等々があるかと思います。が、年間の出荷本数に大きな違いがないということはインプラント治療が一般的な治療方法として定着した証ではないかと思っております。

もし、周りにインプラント治療をお考えの方がおられましたら、既に確立された安心して受けることができる治療であることをお伝え頂ければ幸いです。

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