「インプラント周囲炎の予防」

過日、インプラント専門の学術大会で発表を聴講し、『インプラント周囲炎』について興味深いお話しを聞きましたので共有したいと思います。

歯周病と同じような『インプラント周囲炎』は『インプラント周囲粘膜炎』がひどくなったものです。つまり、インプラントがくっついている骨が細菌に悪さをされてなくなってくるものです。状況的には、歯肉炎が進行してなる歯周病と同じような形態です。

ある学会のインプラント患者の追跡調査では、インプラント周囲粘膜炎の発生率33%、インプラント周囲炎の発生率は10%だったそうです。外国の文献によると、元来歯周病であった方とそうでない方では、術後10年間のインプラント残存率に大きな差はありませんが、インプラント後のインプラント周囲疾患の発生率は元来歯周病であった方は無い方の5倍との報告があります。また、日本の学会の研究では、インプラント周囲疾患の発生率を原因別に分けると、手術関連が約40%、補綴関連が約30%、プラーク関連が約30%であったとの報告があります。

インプラント周囲炎と歯周病の菌を比較しますと、インプラント周囲炎の方が歯周病の菌よりはるかに多くの種類が存在しているようです。これはインプラントでは金属と骨が直接接していることによる違いかと思います。また、定期検診によるインプラントの術後管理をされていない方の発生率は2倍だそうです。

しかしながら、インプラント周囲炎の治療方法については、多くの先生方が研究されてはいるようですが、未だに確立された方法がありません。こうした実情を考えますと、我々はいかにしてインプラント周囲炎にならない様にするか?を考えるべきでしょう。

それには、まず良い歯科医を選び、そして、インプラント前には完全に歯周病治療を行い、適切なインプラント治療を受け、術後も継続して定期検診を受ける事です。そしてプロフェッショナルの方々にホームケアの指導を受けて日々実践し、プラーク管理や噛み合わせを定期的に見てもらう事がとても重要だと思います。

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