「FDAの認可と安全性の保証」

「FDAの認可と安全性の保証」という言葉をよく耳にしますが、今回はそれに関する情報を少し。

ご存知のように「FDA」とは米国の政府機関「アメリカ食品医薬品局」の事です。食品・医薬品などの製品の認可や違反取締を行う機関で、日本でいう厚生労働省のようなものです。全ての食品や医薬品の製造会社は、製品に関する安全性を示したデータや書類をFDAに提出し、販売認可をもらいます。これ無しでは米国内で販売はできません。

さて、ここで我々が 注意しなければいけない事があります。この米国の政府機関の一つである「FDA」が、製品の安全性を保証しているのでは無いという事です。そうですね、既にお気づきかと思いますが、先ほどメーカーに安全性を示したデータを提出させてFDAが販売許可をおろすと言ったではないか?と思いますよね。そこがポイントなのです。FDAは、製造会社が「私共の製品はこの書類にあるこれこれしかじかの理由で安全性を保証するので販売を認めてください。」といって提出した書類が「論理的に適切であり、製品に使用されている成分のデータや製品の使用方法、それに従ってなされた臨床試用データも信頼に足りうるので、販売に対する認可を与えましょう。」と言っているだけなのです。

つまり、『FDAが認可した製品は、製造会社が安全であると言っている事を確認した』という事以外のなにものでも無く、一般的に言われている『FDAが認可した製品は安全である』という説明では不足で拡大解釈をするようになります。ですから、米国では全ての製品の製造責任はその製造会社にあるというスタンスだという事を我々は認識しておかないといけません。言い換えれば、米国政府は製品の不具合やリコールに関する責任は100%会社にあるとし、会社は対策の実施とその全費用の負担を求められます。

私の経験からですが、この良い実例として1990年代に起こったBjörk-Shiley弁(ビジョロクーシャイリー弁と言われる人工心臓弁)のリコールがあります。その際親会社は、製品保証(リコール)による人工心臓弁の入れ替え再手術などにUS$300万(1 US$=100円換算で3兆円)の費用を負担したと言われています。

また、これがインプラント治療を受ける我々にどのように影響するのかは次の機会にお話しいたします。

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