インプラント治療費用と考え方

インプラント治療費

治療費用の内訳は大きく分けて下記の4つに分けられます。

  • 1)診察費
  • 2)インプラント治療費(インプラント手術費を含む)
  • 3)インプラント治療に必要な他の治療費
  • 4)術後メインテナンス費(定期検診費用など)


1)診察費

X線やCTなどにより事前診察を行う費用です。そのクリニックのCTの種類や有無などにより違いがありますが、1−2万円ぐらいです。それ以上の費用の施設もありますし、インプラント手術費用に含まれているところもありますので初めに確認してください。CTのデータはインプラント手術に不可欠な情報なのでCTは必須です。


2)インプラント治療費

地域差がありますが1本30万円ぐらいからで、主としてインプラント本数と上にのせる人工歯の種類によって変わります。そのためにインプラントの本数が増えればそれにつれて治療費は増えます。上の歯、もしくは下の歯が全くない場合の総費用は200万円から500万円ぐらいが目安です。この費用の開きの理由は、治療の方法によります。全く歯のない場合を例に取ると、3本や4本のインプラント体で総入れ歯のように一体となった人工歯(歯として見える部分)を固定する方法や、歯の本数通り1本1本インプラント体を埋入する方法もあるためです。

インプラント手術を伴う他の方法としては、全く歯のない場合には2本のインプラント体を埋入し、それを支えに自分で脱着ができる総入れ歯のような方法もあり、50万円ぐらいからです。費用面を考えればこれも一考ですが、この脱着可能の場合は強度のある固定式と違いますので、後々歯の部分を作り直すことがあり得ると考えておいてください。またその際、この術式によって以前埋入された2本のインプラントをそのまま残しておいて、後日数本インプラントを追加し固定式に変えることが可能な場合もあります。


3)インプラント治療に必要な他の治療費

歯の骨や他の歯の状態によって、インプラント手術費以外に処置や手術が必要になりますと当然治療費の総額も膨らみます。また、手術中の麻酔方法の違いでも費用は変わります。歯科医師が行う局所麻酔ではなく、専門の麻酔科医によって静脈内鎮静法という麻酔を行う場合は費用が上がります。麻酔医がその施設に勤務しているか、または他の施設から出張で来るかによっても費用は変わります。費用はともかくこの静脈内鎮静法は、手術を受ける方が不安を感じている場合などにはとても有効です。不安を取り除いて手術に臨むことは、歯科医師である術者と患者双方にメリットがありますのでこれを勧めるクリニックも沢山あります。そして大きな手術では全身麻酔を行う事もありますのでこの場合も別途費用がかかります。ですので、麻酔の違いやそのメリットデメリット、そして費用についても初めに良く説明をして貰うようにしてしてください。


4)術後メンテナンス費用(定期検診など)

手術後は3−4ヶ月に1度はクリニックでチェックをして貰うことをお勧めします。費用はインプラントの術式もしくは本数によって変わってきますが、1回あたり3千円から1万円前後です。また、クリニックによってはこれ以上の価格設定の所や、インプラント治療費の中に10年間のメンテナンス費用が含まれている場合もあるようです。こうした事も事前に確認される方が良いと思います。この定期メンテナンスは双方にとって非常に大切で、術後のインプラント保証を行っているクリニックでは定期検診を受ける事が保証の前提条件の一つとなっていますので是非お忘れなく。


インプラント治療費の考え方 

インプラント治療は高額という印象を持つ方もいらっしゃいますが、費用対効果を考えると十分納得できるのではないかと思います。まず、ブリッジや入れ歯治療の場合、何年か後にそうしたものを作り直す費用や時間を考慮する必要があります。それに日常生活の利便性を考えると、私を含め治療を受けた方々も日常の使い心地はインプラントの方が優れているとの実感があります。各自の考え方次第ですが、欠けた身体の一部分を正常であった状態近くまで戻す費用と考えれば決して高いものではないと思います。

自分が支出するインプラントにかかる総費用を考える際に、自分の今後の使用年数と年間のメンテナンス費用から答えを導くのが妥当であると思います。例えば、50歳でインプラント治療をうけたとし、平均寿命を80歳とすると30年間使えます。1本のインプラント治療に35万円かかったとして30年と使えると考えれば年間1万2千円、月1千円ぐらいです。50万円であれば月額1400円ぐらいです。それに年間のメンテナンス費用を加味しても、毎月使うお酒や外食、喫煙者の方はタバコなどの出費と比較しますと、十分に納得できる金額ではないでしょうか。ところで、大きなお世話かもしれませんが、喫煙者の方はインプラント後はタバコを止められた方が良いでしょう。

このようにインプラントは今後の身体の健康と日常生活の質の改善にはとても良い投資ではないでしょうか。自費で入れ歯をされている方もしかりで、今までに入れ歯に使われた金額をもとに、これからかかる費用や使用年数を考慮して治療費を比較検討するのは如何でしょうか。

治療費の支払い方法は、各種クレジットカードやデンタルローンなど種々の分割払いなど考慮されると良いと思います。


まとめ

インプラント治療は自費治療です。それゆえに治療費総額は地域(東京都内でも違います)やクリニックのスペースの賃貸状況(借りているか自分で所有しているかなど)や設備などの初期投資費用によっても違ってきます。

その他、治療費に影響を与える要素としては、その歯科医院のインプラントの在庫費用も入ります。インプラントを行う歯科医院では、1つのカタログ番号のインラプント体とそのパーツを必ず最低でも2−3本は常時保管しています。患者さんによって最適なインプラント体の形状やサイズや長さが違いますので、手術のためにほとんど全てを揃えておく必要があります。例えば1日1回のインプラント手術を行うクリニックが20種類のインプラントを置くとすれば、最低でも各2本の在庫を置く必要があるので40本の在庫を置くことになります。更に1日の手術数が多いところはこれ以上の在庫数になります。何故、最低2本ずつ必要かというと、インプラント体一つ一つが滅菌済み包装のため、「もしも」の対策です。「もしも」とは、製品に何か不具合があったり、開封した後で手術中に何かのはずみで落としたり、インプラント体が滅菌されていないものに触れてしまったり等、そのインプラント体が手術に使えなくなった時の予備が必要なためです。この備えのお陰で術者は、なんらかの理由でその製品が使えない場合でもすぐに院内在庫から新しい製品を取り出して予定通りに手術を終了させることが出来るのです。

このようにインプラント治療費は、治療に要する製品コスト、技術料、スタッフコスト、設備費、在庫費用など様々な要素を各施設が考慮して決めるために違いが出てくるのです。もちろん私がここに示した金額より高額なクリニックもあると思います。従いまして、歯科医院で費用の詳細を良く説明をして頂いたうえで治療を受けられるかどうか決めるようにしてください。

ご参考までにですが、保険適用のインプラント体を使う手術もあるにはあります。広範囲顎骨支持型装置埋入手術及び広範囲顎骨支持型補綴と呼ばれるもので、これは、疾患と施設に一定の条件が有り、それを満たす必要があるインプラント手術です。「歯が抜けた」「入れ歯をインプラントにしたい」など一般的に考えられるの処置のインプラント治療は保険適用外で、つまり自費治療になります。

一方、もっと低額でインプラント治療ができるか否かという問いも有るかも知れません。実際に前述のような金額より低料金で治療を提供しているところも有ります。この場合も同様に、CTなどの検査費用、使用しているインプラントメーカー(インプラント体などのパーツの製造会社)、メンテナンス費用、使用される人工歯の材質、手術室や滅菌設備の充実などの情報をすべてご検討される事をお勧めします。

ページトップ